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新しい自分を見つける

忙しい毎日を送っていると、目先のことに忙殺され、自分自身を見失ってしまうことってないでしょうか?
いつの間にか心と身体のバランスが崩れてしまい、体調を崩してしまうこともあると思います。
そんな時は本に頼ってみてはいかがでしょうか?
心の良薬となって、気持ちを和らげてくれるかもしれません。健康の源は食から。
自宅時間の合間にひと手間、ふた手間かけた料理をしてみたり、
あたりまえにいてくれる家族との関係性を見つめ直したり、
個々の幸福が集積すれば社会全体をよい状態にすることもできるはず。
健やかに生きるための知恵がたくさん詰まった本とともに、新しい自分を見つけてみてください。

新しい自分を見つける 1/14

一つのことが見えると、それ越しに反対のことが透けて見える。そう、世界はたいてい二重になっているということ。(P175)
『二枚腰のすすめ
鷲田清一の人生案内』
鷲田清一
世界思想社/2020年

哲学者の鷲田清一が老若男女の悩みに答えます。読売新聞で連載されていた「人生案内」の中から名問答を厳選して収録。不自由なく満たされた生活を送っていたとしても、その人にしかわからない悩みを誰しもが抱えています。苦しいと思ったらこの本を読んでみてください。回答が得られなかったとしても、きっと自分のこころの声に気づくヒントが見つかるはずです。

新しい自分を見つける 2/14

僕たちの細胞は、妻の食事が原料でつくられている。(P157)
『HITOTEMAのひとてま』
谷尻直子
主婦の友社/2019年

東京・渋谷区にある「HITOTEMA」は料理家の谷尻直子が主宰する週に一度だけオープンする完全予約制のレストランです。コンセプトは「現代版のおふくろ料理」。予約が困難な超人気店だけに、実際に体験することは叶わなくても、レシピ集を通して「HITOTEMA」を体験できる1冊です。アートブックのように美しい写真にも注目です。

新しい自分を見つける 3/14

だって、家族の間に秘密があるなんて当たり前だからです。(P11)
『街場の親子論』
内田樹、内田るん
中央公論新社/2020年

親子は、それも父と娘だと、2人にしかわからない微妙な関係性というものがあります。思想家の内田樹と娘の内田るんの親子による微妙に噛み合っていない1年間の往復書簡が1冊の本になりました。親子で往復書簡なんて、ちょっと小っ恥ずかしい気もしますが、手紙だと普段は言えないこともすんなり言えたりするのでしょう。内田親子の仲の良いような悪いような?愛憎に満ちたやりとりは家族の在り方を改めて見直すきっかけとなるかもしれません。

新しい自分を見つける 4/14

大昔の人びとは、ごく素朴に宇宙というものを、自分の体内に感じ取っていたようです。(P65)
『内臓とこころ』
三木成夫
河出書房新社/2013年

「こころ」という器官は人間の体内に存在しませんが、我々人間の体には確かに「こころ」が内臓されています。こころで感じる感性を「宇宙のリズム」と説く解剖学者の三木成夫は、子供の発育過程から人間に「こころ」が形成されるまでを解き明かしました。身体の構造から自然科学、宇宙、宗教、思想、哲学まで、博覧強記の著者による伝説的名著です。

新しい自分を見つける 5/14

遠くない将来、人間のウェルビーイングに配慮しない企業や自治体など考えられないという社会が到来するかもしれない。(P29)
『わたしたちのウェルビーイングを
つくりあうために その思想、実践、技術』
渡邊淳司、ドミニク・チェン(監修)
ビー・エヌ・エヌ新社/2020年

人の心はいかにして充足するのか。世界中の人々の幸福度が調査、研究されるこの世界において、「ウェルビーイング(Wellbeing)」という言葉が注目されています。ウェルビーイングとは、心と身体の健康はもちろんのこと、社会的にも「よい状態」であることを意味します。心身ともに満たされた状態かつ、社会全体が健康的な状況を保つにはどのような実践が必要なのか。医学、心理学、統計学などの学術とAIなどの最新テクノロジーを駆使した先にあるウェルビーイングな世界とは。

新しい自分を見つける 6/14

食べものは人間の暮らしの土台だ。食べるとは息をするようなもので、ぼくらみんなが、生きるためにやっている。(P12)
『Studio Olafur Eliasson
The Kitchen』
Studio Olafur Eliasson
美術出版社/2018年

現代アーティストのオラファー・エリアソンのスタジオでは、スタッフ全員がひとつのテーブルを囲んで昼食を摂ることが習慣になっており、アーティスト兼フード・アクティビスト、そしてシェフでもある岩間朝子が中心となって、スタジオ内で実際に調理まで行っています。健康的な食事がエネルギーの源になり、クリエイティブにつながる好循環を生み出しています。昼食での営みもひとつのプロジェクトとして1冊の本にしてしまうのがオラファー・エリアソンらしさと言えるでしょう。

新しい自分を見つける 7/14

ツボとは、体の不調を教えてくれるシグナル(P17)
『体が整うツボの解剖図鑑』
福辻鋭記
エクスナレッジ/2019年

在宅時間が多くなるとますます運動不足になってしまいます。長時間のPC作業で目の疲れや腰の痛みに悩まされている人も多いのではないでしょうか。そんな時はこの本を開いてみてください。鍼灸治療医師が不調に効く様々なツボを教えてくれます。デスク周りにこの本を忍ばせておけば、ちょっとつらい時にいつでも最適なツボを押せますよ。

新しい自分を見つける 8/14

「みんなもっと気軽に精神科に行こう!」(P28)
『ラブという薬』
いとうせいこう、星野概念
リトルモア/2018年

音楽グループ「クチロロ」のサポートメンバーで精神科医の星野概念のもとに、患者としていとうせいこうが受診することから始まった、医師と患者という関係性の2人。バンドの仕事仲間であり、ときには親友のように語り合う絶妙な距離感を保ちつつ、心地よい会話が繰り広げられます。「精神科」にあまり馴染みがないと、「変な病気になった」「行っているのは恥ずかしい」という誤解を持ってしまうかもしれませんが、怪我をしたら病院に行くのと同じように、気持ちが晴れないときは気軽に精神科に行ってみてください。きっとラブという薬を処方してくれますよ。

新しい自分を見つける 9/14

心を鎮めて、本来の自分にもどるような感じで、積極的にぼんやりすることをおすすめします。頭の中、心の整理につながります。(P13)
『はじめてのサウナ』
タナカカツキ(文)、
ほりゆりこ(絵)
リトルモア/2018年

最近のサウナブームとともに「ととのった」という言葉も一般的になってきました。サウナに関する本も多く出版され、浴場施設のサウナが満室という状況もめずらしくありません。そんな昨今のサウナブームの先駆けとなった『サ道』の著者タナカカツキがサウナ初心者のために贈る本書。絵本を読む感覚でサウナを知ることができるサウナ入門書に最適な1冊です。ととのって健康になりたい方はこの本を片手に今すぐサウナに行きましょう。

新しい自分を見つける 10/14

痛々しいほど嘘偽りない家族の物語(キャッチコピー)
『うれしい生活』
植本一子
河出書房新社/2019年

写真家とラッパーによる夫婦と2人の娘。家族の日々を切り取った植本一子による初の写真集。出会いから結婚、出産、娘の成長、新しい恋人、そして夫の死。順風満帆ではない結婚生活にストレスを抱えながらも、夫や娘たちにカメラを向ける著者。時に家族に苛立ちながら苦しい日々を送るも、最後に助けてくれるのは娘や夫の笑顔でした。本書を手に取って、日々の暮らしの尊さを思い出してみてください。

新しい自分を見つける 11/14

「愛情というのはね、相手が望むようにしてあげることなんだよ」(P25)
『高峰秀子 夫婦の流儀』
斎藤明美
新潮社/2012年

昭和の大女優・高峰秀子は人気絶頂だった1955年に、駆け出しの映画監督だった松山善三と結婚しました。売れっ子女優と新人監督という組み合わせは当時の世論を大いに賑わせ、メディアや週刊誌には「格差婚」「3か月で離婚する」とまで書かれる始末。しかし2人は終生おしどり夫婦として知られ、高峰が亡くなる2010年まで共に人生を過ごしました。そんな2人の間にある夫婦円満の秘訣を、この本から教えてもらいましょう。

新しい自分を見つける 12/14

流行の洋服や音楽、アートやマンガなどのポップカルチャーと同じ次元で消費される食べ物が、ファッションフードである。(P15)
『ファッションフード、あります。
はやりの食べ物クロニクル』
畑中三応子
筑摩書房/2018年

ファッションや雑誌が時代を映す鏡であるように、食も流行と消費を繰り返し時代を彩ってきました。ナタデココやティラミスに始まりタピオカの大流行まで、食を通して現代日本社会を風刺する文化史と言える1冊。時代ごとにファッションのシルエットやスタイルが変わるように、食も同様に変化を遂げています。知らず知らずに食べ物の趣向まで流行に左右されていると考えると恐ろしくもあります。

新しい自分を見つける 13/14

体は一朝一夕にできたものではなく、秘められた生命の歴史が詰まった芸術作品のようなものである。(P96)
『ころころするからだ』
稲葉俊郎
春秋社/2018年

人は誰しも母から生まれ、たくさんの人と関わりながら変化や成長というプロセスを経て生きています。いたたまれない事件やニュースを目の当たりにすると、天然無垢な赤ん坊だった一つのいのちが、数十年も経つとまるで違う存在へと変わっていくことが不思議なように感じられます。人のいのちと医療を様々な領域との接点から考え直すことで、人間をより深く知り、さらにはよりよい未来へと繋がっていくという視座を与えてくれます。

新しい自分を見つける 14/14

病気や医学について、ちょっとおもろそうな話を聞いてみるのは、楽しめるだけでなく役にもたつはずです。(P14)
『(あまり)病気をしない暮らし』
仲野徹
晶文社/2018年

病院に行くだけで具合が悪くなってしまう気がする病院アレルギーの方をはじめ、誰もがなるべくお医者さんの世話にはなりたくないと思っているはず。でも病気にならずに一生を過ごすことは簡単なことではありません。では(あまり)病気にならないためにはどうすればいいのか?まずは病気に対する知識をつけることから始めてみましょう。そもそも病気ってなに?という疑問から、呼吸、食事、ダイエット、お酒、ゲノムと遺伝子、がん、感染症などなど、医学についてわかりやすく解説してくれます。

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