自宅と職場の境界が曖昧になると、PCとWi-Fi以上にデスクやイス、
暮らしを彩ってくれる道具たちにこだわりが出てくると思います。
植物やお花は暮らしに生命力を与えてくれて、いい香りは気持ちを和らげてくれます。
ここにある本をパラリとめくって、なにか気になる物を探してみてください。
気軽に家や家具を買い替えることはできませんが、一輪のお花や植物であればチャレンジしやすいはず。
ここに並んでいる美しいアートブックを部屋に飾ってみるのもいいかもしれません。
お気に入りを身近に置くだけで、気分はグッと高まります。
花や植物があるだけで、見慣れた室内が非日常となり、空間に華やかさを与えてくれます。自然の少ない都会に暮らす人々がどのようにして植物を生活に取り入れているのか、インテリアから都市計画の植栽まで幅広く紹介しています。ビギナーからプロの方まで、植物好きにおすすめの1冊です。
イタリアのアーティスト、マルティーノ・ガンパーは、ロンドンの路地に捨てられたスクラップや友人の家から、使われなくなった椅子を集めて組み立て直し、1日1脚、100日で100脚もの椅子をつくりあげました。これまでにデュッセルドルフ、ミラノ、サンフランシスコ、フィルミニ、アテネの各都市でこのプロジェクトの展覧会を開催し、2015年には香川県丸亀市にも巡回しています。「座る」という椅子本来の機能から離れたマルティーノによる椅子は、どこか生き物のような愛らしさを感じさせます。
デンマークの建築家、インテリアデザイナーのフィン・ユールは家具のデザインで世界的に有名なデザイナーです。アルネ・ヤコブセンやハンス・J・ウェグナーとともにデンマークのプロダクトデザインを国際的な知名度に押し上げた1人。美しい曲線を描く曲木の背もたれと、座りやすさという椅子本来の機能を追求した椅子愛好家たちも唸るフィン・ユールの椅子。実はここ玉川高島屋S・C本館2F「365日とCOFFEE」で座ることができます。ぜひお試しあれ。
アルヴァ・アアルト、エーロ・サーリネン、アルネ・ヤコブセンなどの建築家がデザインした名作チェアと、ドーベルマン、ブルドッグ、コーギーなどのかわいい犬たち。椅子と犬、2つの共通点を見つけられますか?よーく見てみると、フォルムやカラーリングといった共通点が見えてくるような、見えないような...。椅子と犬の両方を、柔らかなタッチのイラストレーションで詳しく紹介してくれるユニークな内容です。椅子と犬の詳細なデータまでついているので、両方を詳しく知りたいという方に最適な1冊です。
『暮らしの手帖』の元編集長・松浦弥太郎が愛する身の回りの品々100選を、滋味深いエッセイで紹介しています。旅先で手に入れたもの、プレゼントされたもの、仕事で毎日使うものなど、手に入れた経緯は様々ですが、どの道具にも氏のかけがえのない思い出が詰まっています。
古来より日本では四季に美を見出し、二十四節気七十二候や歳時記などの詩歌の中で四季折々の美しさを愉んできました。現代人が忘れがちな日本の暮らしの中には様々な香りが存在し、生活の中に息づいています。香りを愉しむための作法や道具を知ることは、日本文化を知ることでもあります。日本の香りには集中力を高める効果もあるので、在宅ワークにもぴったり。お香を焚く方は日本の香りを試してみてはいかがでしょうか?
様々なファッション誌やブランドの広告写真を手がけたロバート・メープルソープ。43歳で夭折したその人生はもはや伝説となっています。同性愛や性的描写を写真の主題とし、肌の色や性差を強調させる写真は常にセンセーションを巻き起こしていました。ファッションを主戦場としながらも、メープルソープが生涯撮り続けた被写体は「植物」でした。まるで彫刻や身体のような艶かしい花や植物は、メープルソープにしか撮れない植物写真と言えるでしょう。序文は当時のガールフレンドであったパティ・スミスが寄せています。
「いい顔してる植物」がコンセプトのプラントショップ「叢-Qusamura」の小田康平は、植物はアートに負けないほど美しいという信念のもと、ユニークな形状の多肉植物を世界中から買い集めています。植物の個性を引き出すために自ら選んだ器(鉢)に活けることで、両者が見事に調和し、まるでアートピースのような風格を持った植物が生み出されます。「叢」にしか生み出せない世界観に魅了され、アートコレクターや世界中のクリエイターにファンも多く、確かな審美眼を持つ人々から絶大な信頼を得ています。
ミニマルアートを牽引し、20世紀アメリカを代表するアーティスト・ドナルド・ジャッド。ステンレス、鉄、合板などのありふれた工業製品を素材として、極端に要素を削ぎ落とした作風で知られています。箱を連続して配置するなど幾何学形態を好んでモチーフにし、作品以外にも実用を想定したオリジナルの家具をデザインしていました。作品制作をする上で発生する端材でつくられた家具は、何の変哲もない形ながら、一点一点ジャッドの手づくりで制作されています。これには大量生産、大量消費社会へのアンチテーゼが込められており、作品同様にジャッドの思想が反映した重要なアートピースといえます。
人間が生活するために必要不可欠な植物由来の化学物質。それは植物たちが光合成をして作り出した二次代謝による産物であり、人間はこれらの恩恵を受けて生きています。身近にある植物が持っている効能や利用法を知ると、道端の雑草すら崇高に見えてきます。
インテリアスタイリストの作原文子と編集者の柴田隆寛を中心としたクリエイティブコミュニティ「MOUNTAIN MORNING」が、道具の裏にある作り手たちの思想や哲学とともに約350点のアイテムを紹介するツールカタログ。創造的で豊かな暮らしはいい道具があってこそ。紹介されているものは大半が購入できるので、ポチり過ぎには要注意です。
画家・猪熊弦一郎が戦前に暮らしたパリや戦後に拠点としたニューヨークで出会い、蒐集してきた数々の品。高価なアンティークも生活雑貨も、道で拾ったガラクタに見えるものも、猪熊にとっては一つ一つが大切な宝物でした。膨大な猪熊コレクションと対峙し、撮影用のセレクトをした岡尾美代子とホンマタカシ。撮影中の2人の会話から猪熊の収集癖を追体験できる1冊です。
花人・川瀬敏郎は被災者への献花として、東日本大震災後、毎日花を活け続けました。366日分の花を美しい写真と言葉とともに、山野草425種の索引・解説付で紹介しています。「一日一花」をはじめたきっかけは、震災で何もかも流されてしまった大地に草が萌え、花が咲いた風景を見て笑顔になった人々に、草木花を届けたいと願ったからと言います。活けられた草木花は儚さと芯のある強さが同居しており、被災した多くの人々を勇気づけたことでしょう。
資生堂でチーフ・パフューマーを務め、長年香りの研究に従事した中村祥二による香りの世界。生活の中に当たり前に存在する香りにはどんなものがあるのか、人が意識的に香りを使いはじめた歴史、文学の中の香り、日本の四季折々にある独自の香りなど、香りに関するあらゆる知識を教えてくれます。読後は香りの感じ方が変わってしまうかもしれません。